2024年10月31日 16:00
【主催者ブース】生成AI(K&Kデザイン)
「ビジネスチャンスEXPO in TOKYO」の注目出展者たちに、出展内容や見どころをインタビュー。今回は生成AIを活用してアニメ制作などを手掛ける株式会社K&Kデザイン(愛知県名古屋市)の川上 博さんに話を伺いました。生成AIを使うと何ができるのか、どんなビジネスに応用できるのか、生成AIが持つ可能性について紹介してもらいます。
パチンコをはじめとした遊技機の筐体や盤面の企画・設計からスタートしたK&Kデザイン。7年ほど前にアニメ部門を立ち上げて、オリジナルアニメやテレビシリーズのアニメ制作、企業CMのアニメーションの制作なども行っています。同社はアニメの制作過程で生成AIを活用しており、「ビジネスチャンスEXPO in TOKYO」では「生成AIの可能性」をテーマに出展します。
当日は体験型ブースを予定し、まだ企画の段階ですが、スマホで撮影した映像を生成AIでアニメーションに変換する技術や静止画を動画に変換する技術、カメラ付きの液晶モニターを設置してリアルタイムでアニメのキャラクターに変身させる技術の紹介などを検討しています。
「アニメや映像の世界だけではありません。生成AIはさまざまな分野に活用でき、多くの業界にイノベーションを起こす可能性を秘めています。当社にも『限られた予算と時間の中で、自社PRとリクルートを兼ねた紹介用の映像を制作したい』とか『スマホで撮影した動画をアニメーションにしたい』など、さまざまな企業から相談が寄せられています。音声を認識してコミュニケーションを図ることもできるので、思いつきですが、モノづくりの現場なら、注意喚起や現場の質問に答えるアシスタント的なキャラクターAIを生み出すこともできるでしょう」
アニメーションにおける生成AIについて少しだけ説明しますと、海外を中心に多くの企業が生成AIサービスの開発に力を入れていて、こうしたサービスは誰でも利用できます。パソコンにダウンロードして使用するタイプと、月額料金を払ってクラウドへアクセスして利用するSaaSタイプ(Software as a Serviceの略称。サブスクリプションサービスのようなイメージ)、大きく分けると2種類あります。K&Kデザインでは、現在5〜6種類の生成AIサービスを制作現場において活用および応用方法の研究を行っています。
「あくまで一例ですが、生成AIを利用すれば、文字情報から一枚の静止画や10数秒のムービーを作成することができます。弊社の場合、アニメ制作における過程で活用しています。例えば、文章で指示を入れて背景を制作してもらったり、ラフから複数パターンの絵を作ってもらってアイデアのブラッシュアップにつなげたり。アシスタント的な立ち位置で活用しています」
川上さんは「30分アニメの制作で用いたことはないので想像になりますが」と前置きしつつ、生成AIを活用した場合の効率化について話してくれました。30分アニメの場合、実際に制作する部分は24分で、300カット以上、絵は5000枚ほど必要になるそうです。これを100人以上、多ければ200人くらいが関わって2〜3ヶ月かけて制作しているのが現状です。生成AIを活用すると「作業が短縮され、クリエイティブに充てる時間が増え、生産的な時間の使い方ができるのでは」と川上さんは言います。アニメーター不足や賃金問題が叫ばれるアニメ業界の救世主になりうるポテンシャルを秘めているのです。
「生成AIが作ったものがそのまま作品になるかといえば、まだそのようなクオリティではありません。現在は作業をサポートしてくれるアシスタント的な存在で、結局はクリエイターが制作しています。しかし、生成AIは日進月歩の先端技術で、昨日できなかったことが明日にはできるようなスピード感で進化を遂げています。アニメ業界でも生成AIを活用している企業はまだまだ少ないですが、もっと身近になる日はそう遠くないと感じています」
SNS時代の昨今、文字情報よりも動画や写真のほうが強い訴求力を持っています。動画等を制作する場合、企業は外注に依頼するのが一般的ですが、生成AIを活用すれば自社での制作も容易になります。制作期間の短縮やコスト削減にもつながりますし、そういう時代が「すぐそこまで来ている」と川上さんは言います。実際、K&Kデザインが生成AIを導入するようになって1年ほどですが、メディアや企業からの問い合わせは格段に増えたそう。それほど生成AIが注目されていることがわかります。
「今回の出展は、生成AIの可能性を感じていただくと共に、『私たちのようなビジネスでも応用できないか』など、来場いただいた皆さまからヒントをいただける場になればと考えています。御社のビジネスに当てはめて、想像を巡らせていただきたいですね。何かのきっかけになると思っていますし、皆さまのほうが新しい気づきがあるかもしれません。『こんなことはできないのかな?』など、当日は些細な疑問や質問でも結構です。生成AIで気になったことがあれば気軽にご相談ください。そして、双方にとって新しいビジネスチャンスが生まれることを期待しています」
開催概要や本展のみどころは公式HPで順次アップ!
▼ 詳しくはこちらをClick ▼