2024年11月15日 15:00
【その他(ものづくり)】3Dプリンタ受託加工サービス(日精株式会社)
「ビジネスチャンスEXPO in TOKYO」の注目出展者たちに、その内容や見どころをインタビュー。今回は、樹脂、金属、セラミックと、さまざまな素材での「3Dプリンタ受託加工サービス」を行う、日精株式会社(東京都港区)の商品営業本部 物資部・穴水弓月さんにお話を伺いました。一体どのようなサービスなのでしょう?
株式会社日精は、3Dプリンタを用いた受託加工サービスを行っています。2回目の出展となる「ビジネスチャンスEXPO in TOKYO」では、3Dプリンタを導入することでの新たな可能性をご紹介します。
同社の最大の特徴は、3Dプリンタで使用可能な主要素材である樹脂、金属、セラミックを全て取り扱っていることです。
「従来の3Dプリンタは主に樹脂を原料としていましたが、当社では金属とセラミックも扱うことで、お客様の多様なニーズに合わせた最適な提案が可能となりました。このように幅広い素材を扱う企業は、国内では希少だと自負しています」と、穴水さん。
3Dプリンタはここ数年で高性能化し、低価格化も進むなか、さまざまな業界での活用が進んでいます。同社の受託加工サービスも例外ではなく、幅広い用途に対応しています。例えば、医療分野では、3Dプリンタを用いて歯の形状に合った矯正用器具を作成したり、手術の練習用として心臓模型の製作も行っています。工業分野では、量産化を目指した金型の作成にも役立ちます。従来、金型は切削加工で製作するのが一般的でしたが、この方法では材料を削る過程で大きなロスが発生することがあります。しかし、3Dプリンタを使用することで、そのロスを大幅に減らすことも可能です。そのため、新しい製品の開発にも取り組みやすくなります。
さらに、新しいアイデアを形にする際のコミュニケーションツールとしても貢献します。
「新製品を提案するプレゼンテーションでは、映像や写真だけでは相手に十分なインパクトを与えられない場合があります。そういったときに、3Dプリンタで実物の縮小模型を製作することにより、提案内容がより明確になり、相互の理解を深めることができるようになります。このような橋渡し的な役としても、3Dプリンタの加工品は非常に有用です」
3Dプリンタは、指に乗るような小さなものから50cm四方の大型製品まで、幅広いサイズと形状の造形が可能です。さらに、従来の加工方法では難しかった複雑な構造も、容易に実現できます。
「例えば、無数の穴が空いた製品の場合、従来の加工方法ではドリルで穴を開ける必要があり、コストも労力もかかっていました。しかし、3Dプリンタは、単純に下から積み上げて造形していくため、無数の穴や網目状、ハニカム構造など、複雑な形状も簡単に作ることができます。コスト面も従来よりも抑えることができ、企業にとって大きなメリットとなります。さらに、3Dプリンタ受託加工で製作した成形品は、組み立て作業が不要です。組み立て工程を省けることで、現場の人手不足解消にも役立つことが期待できます」
また、3Dプリンタの導入を検討している企業にとって、コストは大きな課題です。例えば、樹脂を使用する3Dプリンタの場合、導入費用は数百万円。さらに、金属やセラミックを扱えるものになると、その費用は数千万円に跳ね上がります。このような場合、受託加工サービスが解決策となります。自社で3Dプリンタを導入するのが難しい場合でも、受託加工サービスを利用することで、高額な初期費用を抑えつつ、これらの先進技術を活用することが可能になるのです。
昨年開催された「ビジネスチャンスEXPO in TOKYO」では、2日間で約200名の企業担当者がブースを訪れ、ユニークな相談も寄せられたそうです。
「ある企業から、カバンなどに付いているバックルを作ることができないかという相談がありました。バックルは規格品のため、なかなか希望通りのものに出会えないそうです。そのため、3Dプリンタで特注品を作れないかということでした。このような相談には、ジャンルや用途、素材などにとらわれず、あらゆる可能性を検討できるのが当社の強みです」
今回の出展ブースでは、実際に3Dプリンタが造形を行う様子を間近で見ることができます。また樹脂、金属、セラミックといったさまざまな素材を使った完成品も多数展示する予定です。
「3Dプリンタの造形過程は非常に興味深いものですので、まずは実際にご自身の目で見ていただきたいと思います。3Dプリンタの導入にためらっていた企業様やこれまでは関心のなかった企業様も、プリンタの動作やできあがった完成品を見ていただくことで、新たな展開が生まれてくるかもしれません。3Dプリンタは多種多様な業界で革新をもたらす可能性を秘めています。技術開発や新製品の創出に興味のある方は、ぜひブースにお立ち寄りください。皆様のアイデアを形にするお手伝いができることを楽しみにしております」
開催概要や本展のみどころは公式HPで順次アップ!
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