2025年10月28日 18:00

日本のコメを世界へ! 冷凍ごはんでつなぐ「おいしい」未来

【フード】冷凍おにぎり、冷凍弁当、他(Tokyo Bento Labo)

「ビジネスチャンスEXPO in TOKYO」の注目出展者たちに、出展内容や見どころをインタビューする本企画。今回は、日本人にとって欠かせない主食「コメ」を主軸とした冷凍食品を販売するTokyo Bento Labo(東京都江戸川区篠崎町7-11-1)の代表取締役 関 克紀さんにお話を伺いました。無添加で、手握りにこだわり、そしておいしさを追求した「冷凍おにぎり」をはじめ、同社が取り組む “食の改革”は、人々の毎日の暮らしを豊かにするとともに、地域支援、一次産業の活性化へと広がりを見せています。

冷凍ごはんで社会再生を願う

日本人の主食とされてきたコメ。しかし、1人当たりの消費量は1962年度をピークに減少傾向にあり、農林水産省の調べによると、1965年には1人あたり年間100㎏を超えていた消費量が、2022年には50.9㎏と約半分に減少しています。結果として米の生産量が減り、価格高騰など“令和の米騒動”と呼ばれる現象も起こっています。

「お米という日本が誇るすばらしい食材を、もっと多くの人に食べてもらい、世界へ広げたい」――そうした思いを抱いて挑戦を続けているのが、Tokyo Bento Laboの関さんです。「冷凍ごはん」を通じて日本の農を再生し、日本の、そして世界の人が笑顔になれる社会を目指しています。

冷凍おにぎりから始まった、関さんの挑戦

Tokyo Bento Laboの何よりの強みは「冷凍おにぎり」と関さん。これまでにもさまざまな冷凍おにぎりが発売されてきましたが、大きな違いは「手握りであること」「無添加であること」、そして「コメがおいしいこと」なのだとか。
「ごはんを炊く際、多くのメーカーは必ずと言っていいほど添加物を加えているのが現状です。それを、当社独自の調理ノウハウと冷凍技術で、無添加のまま実現しました」

その味が認められ、4年前からは全国展開するホテルチェーンでも採用。現場で握ったおにぎりと遜色ない味わいは、料理人をはじめ、実際に食べたお客様からも高く評価されています。また、厨房の省力化にも貢献。簡単そうに見えるおにぎりですが、実際に作るとなると、おにぎり用にお米を炊き、具を用意するなど、相応の時間を割く必要があります。

「この冷凍おにぎりをストックしておけば、スチームコンベクションオーブンで他の蒸し料理とともに温めるだけで提供できます。手握りのやさしい風味はそのままに、時間をかけずにお客様へお出しできる。そこにメリットを感じて、ご利用いただいています」

「とくに手握りにこだわるのは、業界でもクレイジーな試みだと自負しています」と関さんはにっこり。スチームコンベクションオーブンで温める業務用のほか、家庭用電子レンジ対応タイプや常温解凍可能な冷凍おにぎりも開発中。「日本のおにぎりを世界の食卓へ」――関さんはそんな野望も抱いています。

課題解決に向け、冷凍業界へ

日本屈指のグルメ雑誌で営業マンとして活躍してきた関さん。日本全国の農家や料理人と交流する中で、人材は足りているのに、加工し、届けることができる会社が少ないという現実を目にします。

すばらしい食材を生みだすポテンシャルを持つ日本。しかし、自給率が40%を切る現状が続いています。そんな中で経験した東日本大震災。多くの生産者が痛手を受ける中、日本の食の未来を守るために何ができるのか。生産者と産地を守り、おいしい食材を守るために、何をするべきか――考え抜いた結果、「ごはんがしっかりおいしい冷凍食品を作りたい」という発想にたどりついたといいます。
「おいしければ、必ず食べてもらえる。これは間違いのない事実です。そこに、社会的意義をプラスしていけたら、もっと多くの人に喜んでもらえる。そこで、私たちが加工のハブになろうと考えました」

小さな会社だからこそ、できることがある

加工のハブになるべく、関さんが今後“ウリ”にしていきたいと考えているのが、冷凍食品の企画開発です。
「弊社の工場では小ロットでのトライアルが行えます。また、私自身が培ってきた経験をもとに、コンセプト段階から一緒に考えるプロデューサー的な役割を果たすこともできます。しかも、工場は都内に。これだけの条件がそろう環境はなかなかないと思っています」

前職がグルメ雑誌だったこともあり、「おいしさに妥協しない」のも関さんのこだわり。医療施設からオーダーを受け、嚥下障害がある人に向けたお弁当や、透析患者に向けた食事も開発。これまで「まずい」と敬遠されがちだった療養食を、おいしく改善することに成功しています。
「大切なのは、やはりお米。ごはんがおいしければ、どんな食事もおいしい。全国の農家さんから直接お米を仕入れ、おいしく炊きあげ、おいしさをそのままに冷凍することで、患者さんたちに食べる楽しみを届けたいと思っています」

冷凍食品で地域資源を守る活動も

Tokyo Bento Laboでは、地域の食を守るべく、さまざまな食品加工も手掛けています。

1つめはフードロス対策。同社の拠点がある江戸川区内の八百屋では、常時1~2割の廃棄野菜が出ることから、「この野菜を活用できないか」と相談を受け、開発をスタートしました。
完成したのは、ごはんの上に数種類の具をのせたカラフルなお弁当。「江戸川三色丼」と名付けられたこの冷凍弁当は、ワンコインという価格と、電子レンジで温めるだけという手軽さで、地元の方々から好評を博しています。
「廃棄寸前の野菜をごはんに合う味付けの総菜へ。ポイントは、総菜を作ってすぐ詰めるのではなく、一度冷凍してストックしておく点です。ですから、製造ロットによって中身はすべて異なります。作り置きしてある総菜を必要なときに必要なだけ利用することで、フードロスを徹底的になくしています」

2つめは、地域資源の活用。現在は、東京湾を漁場とする漁師から相談を受け、足が速いことから流通しにくい「コノシロ」を使った寿司の製品化を目指しています。
「こんな食材を使って何かできないか」「厨房を省力化したいけど、どうすればいいか悩んでいる」――そんなザックリとした相談からでも大歓迎です。
「日本のコメを活かし、貴重な地域資源を守り、人々の暮らし、そして日本の未来を支える。そんなお手伝いを、ぜひ私たちにさせてください」

株式会社Tokyo Bento Labo
東京都江戸川区篠崎町7-11-1
https://www.tokyobentolabo.com/
主な事業:冷凍おにぎり・冷凍弁当の製造販売、冷凍食品の企画開発、冷凍自販機専門店「いっぴん食堂」、地域・産地支援

 

 

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