2025年11月6日 17:00
【ライフスタイル】MS仕上げ工法/【蚊がこない!】、【カブロック】、【防草ブロック】、災害用マンホール型トイレ/【レスキューホール】(豊国コンクリート工業株式会社)
「ビジネスチャンスEXPO in TOKYO」の注目出展者たちに、出展内容や見どころをインタビューする本企画。今回は、自社の強みである「コンクリート」と組み合わせることで、蚊や雑草の発生や災害対策などさまざまな社会課題の解決を図る豊国コンクリート工業(東京都小平市)をご紹介。代表取締役の藤原平明さん(写真中央)をはじめ、出展を担当する4名の皆さんにお話を伺いました。

創業は昭和34年。代表取締役である藤原さん率いる豊国コンクリートは、集水桝やマンホールなどの下水道用製品、地先ブロックやU形側溝といった交通インフラに欠かせない道路用製品など、コンクリート二次製品を製造販売。また、焼却灰を主原料とした新しいセメント「エコセメント」を用いるなど、資源循環型社会の実現に大きく貢献しています。
「当社は創業以来、モノづくりの中小企業として地縁と人縁を大切にしています。エコセメントの活用など、社会貢献にも尽力してきました。これからも、私たちがつくる製品で地域社会の暮らしと笑顔を守りつづけたいですね」と、藤原さんは笑顔で語ります。

その思いを受け継ぎ、社員一丸となって社会課題の解決に挑む姿を見せてくれるのも、豊国コンクリートならでは。それでは、今回展示される製品について詳しく見ていきましょう。
世界保健機構(WHO)の統計によると、地球上で最も多くの人命を奪っている生物は「蚊」。黄熱病やデング熱、ジカ熱、マラリアといった恐ろしい病を人間にもたらしています。日本には100種類ほどの蚊が生息しており、そのうち約20種類が吸血性を持ち、日本脳炎をもたらすウイルスを媒介。近年はインバウンドの増加や海外観光客の増加もあり、2014年にはデング熱の国内感染が報告されるなど、蚊によるリスクは決して他人事ではありません。
こうした被害を防ぐために開発されたのが、MS仕上げ工法【蚊がこない!】と【カブロック】です。

MS仕上げ工法【蚊がこない!】は、下水桝や雨水桝に「ハイドロ銀チタン」を塗布することで蚊の発生を防ぐことができる画期的な工法。設置済みの桝にも加工できるという点がポイントです。
「ハイドロ銀チタンを用いた製品や医療機器等を製造販売されているDRC医薬さんからご提案をいただき考案した、塗るだけで効果を発揮する工法です。ボウフラ以外の微生物には影響を与えず、環境汚染や自然を破壊することなく、蚊だけをターゲットにすることができます」そう語るのは、豊国コンクリート秦野工場・技術部の長沢諒佑さん。公害防止管理者の資格を持つ技術者です。

「桝の底面に光触媒であるハイドロ銀チタンを塗布することで、その効果が持続し、桝の底部に溜まった雨水中に発生するボウフラの孵化や成虫化を防ぎます。これまで、さまざまな場所で試験を行ってきましたが、わずかな光しか届かない環境でも効果を確認できるなど、エビデンスが蓄積されています。安全なまちづくりに、ぜひとも役立てていただけたら幸いです」
蚊は卵から蛹になるまでの1~2週間、水中で生活します。つまり、水溜まりをなくすことが、蚊の発生を防ぐ抜本的な解決策になるということ。

「カブロックは、マンホールや各種雨水桝、集水桝の底部に設置する底塊ブロックです。排水効果を高めて水たまりをできる限り排除することで、蚊の発生を根本から防ぐ効果が得られます」そう語るのは、営業部長の白石広野さん。

メリットは、既存の桝に設置できるため工事に伴う騒音が少ないこと、さらに堆積物が残りにくい勾配設計により清掃の手間がほとんど不要であることなど、多岐にわたります。
「円形でも矩形でも施工が可能なのもカブロックの特徴です。プレキャスト化されたインバートブロックをはめ込むだけで、短時間で設置でき、養生なども不要。設置後すぐに開放できるため、お住まいのエリアの環境改善にもってこいですよ」
次に紹介するのは、道路と歩道の狭間に設置して雑草の繁茂を抑える防草ブロックです。

「雑草処理の手間を減らすことで、CO2削減にも大きく貢献できます。薬剤散布の必要がないため、環境汚染の心配もありません。害虫駆除はもちろん、ブタクサなど花粉アレルギーによる健康被害を緩和するなど、数々の社会問題の解決にも役立ちます」と話すのは、営業部の母壁欣也さん。

防草ブロックは、側面に独特の切欠を付けることで植物の芽を下向きに誘導。自然に枯死させる過去に例のない防草技術です。インフラ整備に採用される道路ブロック製品として唯一「環境製品」に位置づけられている点も注目です。
「雑草がまったく生えない、というわけではありませんが、成長しきる前に止めることができるので、種の飛散や根がはびこることによる繁茂を防ぐことができます。何よりの強みは、設置すれば半永久的に効果が続くこと。環境保全のためにも、自治体の皆さんにぜひ、知っていただきたい技術です」
阪神・淡路大震災の折、被災地では約32万人が避難所に身を寄せ、数少ないトイレに殺到。避難所のトイレは糞尿が山積みとなって使えなくなり、校庭や公園に穴を掘って排せつする人が出るなど、多くの被災者が不衛生な環境に苦しみました。こうした非常時の「困った!」を解決するために生まれたのが、レスキューホールです。

「こちらは『ラダホール』と呼ばれる組み立て式マンホールを活用した製品で、施工が簡単なことが一番の特徴になります。独自の集水形状により、汚物の回収や清掃時間を短縮。防水コンクリートを混入することで耐久性を高めており、災害時でも安心してご使用いただけます」と話すのは、同社顧問の石川隆さん。長年コンクリート業界に身を置き、人々の暮らしを見守ってきたコンクリート技師です。

「地中に埋められたレスキューホールの上に仮設テント等によるトイレブースを設置すれば、すぐに利用可能です。臭気を防ぐ遮断弁付きで、衛生的な空間を保つことができます」
災害時の「トイレ難民」問題は、多くの自治体が頭を悩ませているものです。いざというときに素早く役立つレスキューホールの設置は、災害対策の筆頭に掲げるべきかもしれません。
コンクリートという身近な素材に新たな価値を見出し、社会の課題解決に挑み続ける豊国コンクリート工業。会場では、環境保全や災害対策など、社会の「困った」を解決する技術を実際に見て・感じていただけます。ぜひブースに足を運び、次世代のまちづくりを担う“コンクリートの新しい可能性”を感じてみてください。

開催概要および見どころは公式HPで順次アップ中
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