2026年10月14日 13:50

何を探すか決まっていなくても大丈夫。 出展者に聞く、ビジネスチャンス EXPO の歩き方

「自社に合う技術や取引先を探したい」「新しい事業のヒントがほしい」。展示会を訪れる目的はさまざまです。一方で、何を見ればよいのか、ブースでどう話しかければよいのかわからないという人もいるでしょう。今回は、ビジネスチャンスEXPO in TOKYOに継続して出展している日精株式会社(東京都港区。以下、日精)の商品事業部 物資部・穴水弓月さんに、会場の回り方や展示会を有効に活用するコツを聞きました。

気になったら、まず立ち止まる。「何かできるかも」が会話の入口

日精は、メーカーと商社の両機能を併せ持ち、産業機械や資材など幅広い分野の商品・サービスを扱う会社です。ビジネスチャンスEXPO in TOKYOのブースではこれまで、3Dプリンターによる造形品を展示するとともに、3Dプリンター本体を実際に稼働させ、造形の様子も紹介してきました。会期中は製造業を中心に、農業関係者など幅広い業種の人が足を止めたといいます。日精側から声をかけることも多く、来場者からは「これはどうやってつくっているのですか」「どんな材料が使えるのですか」といった質問が寄せられたといいます。

「もちろん、『こういう案件があって、対応できるところを探している』という具体的なご相談があれば提案しやすいですが、そういう方ばかりではありません。『何か新しい方法はないか』『商材の幅をもう少し広げたい』という漠然とした段階でも、こちらから提案できることがあります」と穴水さんは話します。

最初から探していた技術や商品でなくても、話を聞くうちに、自社の仕事との思いがけない接点が見つかることがあります。「少し気になる」と感じたら、まず立ち止まってみる。それが、新しい選択肢に出会うきっかけになります。

見て、触って、聞いてみる。Webだけではわからないことが見えてくる

例年のブースで特に反応が大きかったのは、実際に動く3Dプリンターや、そこでつくられた造形品でした。3Dプリンターを知っていても、「硬いプラスチックでつくるもの」というイメージを持つ人は少なくありません。柔らかい素材や金属、セラミックなどを使った造形品を実際に見たり触れたりして、意外に感じる人も多かったといいます。

「実際に機械が動いて、ものができていくところを見る機会はなかなかありませんし、3Dプリンターでつくったものに直接触れる機会も多くありません。知っているつもりでも、『こんな柔らかい素材もできるんだ』と興味を持っていただくことがあります」

これまでには、展示や公開用のモックアップ、すでに廃番となった製品の部品、店舗に置くフィギュアや景品用の小型アイテムなどについて、「こういうものはつくれないか」という相談が寄せられてきました。例えば、廃番部品を1個、2個だけつくるために金型から用意すると、大きな費用がかかります。しかし、製作方法を変えることで対応できる場合もあります。図面を起こしにくいものについては、現物をスキャンしてデータ化する方法もあるといいます。「この数量では難しいのでは」「図面がないから無理だろう」と思っていたものでも、実物を見ながら話すことで、別の製作方法やデータ化の方法が見えてくることがあります。

Webサイトや資料だけでは、自社でどう活用できるかまでイメージしにくいことがあります。実物を見て、触れて、その場で「これはできる?」「こんな使い方は?」と聞くことで、漠然としていたアイデアが具体的な選択肢に変わっていく。それもリアル展示会ならではの価値です。

専門的な質問はなくてOK。気になるブースで話を聞いてみる

展示会では、最初から見るブースを絞り込みすぎないことも、大切です。穴水さん自身も展示会を回るときは、できるだけ多くのブースを見て、さまざまな企業の話を聞くようにしているといいます。

「一見ごく普通の加工会社に見えても、話を聞くと『実はこんな技術があるんだ』と気づくことがあります。『御社では何をやっているんですか』『こういう材料も扱っているんですね』といった一般的な会話からでも、得られるものは結構あります」

専門知識や明確な質問がなくても、「何をしている会社ですか」と聞くところから始めれば十分です。まずは関心のある分野を見たうえで、少し範囲を広げて歩いてみる。そんな回り方が、情報収集の幅を広げます。

名刺だけで終わらせない。資料とセットで持ち帰り、次の検討へ

数多くのブースを回るほど、「どの会社で何を聞いたのか」がわからなくなりがちです。そこで穴水さんが勧めるのが、名刺だけでなく、パンフレットや資料も一緒に持ち帰ること。名刺だけでは、何をしている会社だったか思い出せないこともあります。資料があれば、「あの展示をしていた会社だ」と、会場でのやり取りを思い出す手がかりになります。

他にも、既存の取引先との会話から、新しい相談が生まれることもあります。日精のブースにも既存の取引先が訪れ、話すうちに「この会社はこういうこともできるのか」と、新しい相談につながることがあるそうです。

具体的な相談先が見つかったら、その場で次の打ち合わせについて話しておくのも一つの方法です。会場で得た情報を持ち帰って整理し、必要な企業にはあらためて連絡する。そこまで意識すると、出会いを次の検討につなげやすくなります。

異なる業界が集まるからこそ、想定外のヒントに出会える

ビジネスチャンスEXPOの魅力の一つは、業界を絞らず、さまざまな分野の企業が一つの会場に集まること。2026年は「ものづくり」「フード」「サービス・DX」の3カテゴリで構成されます。専門性の高い展示会には、目的の技術や商品を深く探せるよさがあります。一方で、異なる業界の展示を一度に見られるからこそ、自分では思いつかなかったアイデアが生まれることもあります。

「ビジネスチャンスEXPOは、普段はまったく接点のない業界の企業が、同じ空間に出展しているのが面白いところです。例えば、フードを目当てに来た方がものづくりのブースで3Dプリンターを見て、『食品サンプルに使えるかもしれない』『店舗で使うものをつくれるかもしれない』と考えることもあると思います。自分の業界だけを見ていると出てこないようなアイデアや、今までにない発想のきっかけを得やすい空間だと思います」
「自分には関係がない」と決めつけず、目的のエリア以外にも少し足を延ばしてみる。そこから、思いがけないヒントが見つかるかもしれません。

アイデア段階でもOK。「こんなものをつくりたい」から相談できる

出展者のなかには、試作や開発の段階から相談に応じる企業もあります。日精も2026年は、従来の3Dプリンター本体を中心とした展示から少し趣向を変え、「試作から量産まで」を一体で提案できることを打ち出す考えです。3Dプリンターによる造形だけでなく、切る・貼るといった方法を含むさまざまな試作を紹介し、柔らかいものから硬いものまで、幅広い素材のサンプルも展示する方向で検討しています。
「明確な目的がなくても、ものづくりに関することであれば、1個の試作から、何千個、何万個単位の量産まで幅広く相談できます。まずは気軽に立ち寄ってください」と、来場を呼びかけます。

目的の技術を探すだけでなく、少し視野を広げて会場を歩いてみる。ビジネスチャンスEXPOには、まだ気づいていない課題や、新しいビジネスのヒントに出会える可能性があります。

 

開催概要および見どころは公式HPで順次アップ中

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https://bizchanexpo.tokyo/