2026年10月14日 13:55
【主催者ブース】AIアバター、ヒューマノイド、ロボット(AVITA株式会社)
2026年の「ビジネスチャンスEXPO in TOKYO」で、主催者企画のテーマとなるのが「フィジカルAI」です。AIが画面の中だけでなく、ロボットなどの「身体」を持ち、現実空間で人とともに働く時代が始まろうとしています。主催者ブースに登場するAVITA株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワー18階)は、AIアバターによる接客や人材育成から、ヒューマノイド、フィジカルAIへと事業領域を拡大しています。取締役副社長 COO 兼 CFOの西口昇吾さんに、人手不足の現場を変えるAI・ロボットの可能性と、今回の展示の見どころを伺いました。

人手不足への対応が経営課題となる中、AVITAは、AIアバターによる接客・人材育成から、実空間で働くロボットまで、テクノロジーによる解決策を展開しています。今回の展示では、「AVACOM」「アバトレ」、国内開発のヒューマノイド「N2H」、Unitree、Booster Roboticsと連携するロボットなどを紹介する予定です。
「すべてに共通しているのは、人手不足を解消するためのソリューションだということです。採用を支援し、雇った後の研修を支援する。さらに、アバターやロボットが働く仕組みへとつながっていきます」と西口さんは話します。

会場では、AIアバターとの会話(写真左)や、「N2H」が人と対話する様子(写真中央)、ロボットが実際に動く姿(写真右)などを見ることができます。AIによる接客・コミュニケーションと、実空間で働くロボットの両方を体感できるのが見どころです。
AVITAが社会実装を進めてきたのが、CGアバターです。「AVACOM」は、AIによる自律接客と、遠隔オペレーターによる有人接客の両方に対応し、店舗や受付で案内や問い合わせを支援します。「アバトレ」は、AIアバターを顧客役に、接客や営業の会話を繰り返し練習できる人材育成サービスです。

西口さんが重視するのは、AIアバターに人の仕事をすべて任せることではありません。「AIアバターが人を置き換えるのではなく、人と協働することを大事にしています」。例えば店舗では、アバターがセルフレジ周辺の案内を担うことで、従業員は品出しや調理、きめ細かな接客などに時間を使えます。
現場では、アバターへの意外な反応もありました。病院で導入した際には、高齢の利用者も積極的にアバターと会話する様子が見られ、撤去すると「(アバターと)話すのを楽しみにしていたのに」といった声も寄せられたといいます。AVITAでは、ボタン操作をできるだけ減らし、AIカメラで人を検知してアバター側から声をかけるなど、幅広い世代が使いやすい対話設計を重視しています。
一方、人材育成を支援する「アバトレ」でも、人とAIが役割を分担するという考え方は同じです。
「人同士で行うロープレも必要です。ただ、基本的なことはAIアバターを相手に、好きなタイミングで何回でも、自分のペースで練習できるようにする。そうやって教育を効率化するのがアバトレの考え方です」と西口さん。指導する側の負担を減らしつつ、従業員が繰り返し練習できる環境をつくります。

活用の幅はさらに広がっています。2026年9月には、大手損害保険会社が、AVITAのAIロープレ技術を活用したAIアバターロープレサービス「Talktice」(写真上)の提供を開始。顧客役のAIアバターを相手にカスタマーハラスメント対応を練習し、AIによる評価やフィードバックを受けることができます。
AVITAでは、ロボット事業を創業当初から構想していました。西口さんによると、当初2029年ごろを想定していた計画を、生成AIなどの急速な進化を受けて3年前倒ししたそうです。
「ロボットは、具体的な使い道や市場がないまま先につくっても、現場に持ち込んだときに使えないということが出てきます。だからまず、導入しやすいCGアバターを対話やコミュニケーションの現場で使ってもらい、市場をつくる。そのうえで、付加価値の高い領域をロボットへ広げていく。それが私たちの戦略です」と西口さん。
現在は、国内でヒューマノイド「N2H」を開発するほか、UnitreeやBooster Roboticsなどのロボティクス企業とも連携しています。2026年9月にはダイセルとの共同実証を発表。大竹工場(広島県大竹市)で四足歩行ロボット「Unitree Go2」を使い、製造プラント内の巡回や設備点検を行うもので、8月から走行テストを行い、12月からは自律走行による検証を進める予定です(写真下:ダイセル大竹工場での走行テストの様子)。フィジカルAIの活用は、すでに具体的な現場へと広がり始めています。

ロボットが店舗や工場で人と働くためには、性能の高さだけでなく、周囲の人に危険を及ぼさずに動けることが欠かせません。西口さんは、その一例として、ロボットがバランスを崩したときの動きを挙げます。
「デモ映像では、押されても倒れずに踏ん張るロボットを見ることがあります。でも実際の現場では、倒れそうになったときに激しく足を動かすと、周囲の人にぶつかる危険があります。60~70kgの鉄の塊ですから、無理に踏ん張るより、人がいない方向を判断して安全に倒れてくれたほうがいい場合もあるんです」

転倒時には、手や頭部など高価な部品を守りながら倒れる仕組みも備えています。そのための技術基盤が、2026年8月に発表した「AVITA OS」です。人や周囲の状況を認識し、ロボットが安全に移動・作業・コミュニケーションするためのAI・制御技術を統合しています。
こうした安全面に加え、実際の運用では、AIと人が役割を分担することも重要だと西口さんは話します。
「AIは完璧ではありません。繰り返し作業など、AIが得意な仕事は任せて、不確実なことは人がやる。人間をシステムの中に組み込むことが大事だと思っています」と西口さん。
例えば導入当初は、人が遠隔で操作しながら業務を行い、その中で繰り返し発生する作業が見えてきたら、できるところからAIに任せていきます。完全な自動化を待つのではなく、人が必要に応じて支えながら、ロボットが担える仕事を少しずつ広げていく。それが、AVITAが進めるフィジカルAIの社会実装です。
では、中小企業はどこから始めればよいのでしょうか。西口さんは、現時点ではロボットの導入には中長期的な投資が必要になる一方、CGアバターなら比較的小さく始められると話します。

「AVACOMはモニターやタブレットがあれば使えるので、従業員が10人、20人といった規模の企業でも導入されています。町の小さな歯科医院で使っていただいている例もあります」
具体的には、来院者へのあいさつや受付、院内設備に関する問い合わせ対応などに活用されています。接客の人手が足りなければ「AVACOM」、新人教育や営業研修に負担を感じているなら「アバトレ」というように、まずは目の前の課題から導入を考えることができます。

さらに西口さんが強調するのが、将来の人手不足に備え、今のうちに業務の知識や対話をデータとして残しておくことです。
「人が雇えなくなってから『アバターやロボットを使おう』と思っても、そのためのデータがありません。集める人も、使う人もいなくなってしまいます。だから、人がいるうちに必要なデータを残しておく。始めるなら、早いほどいいと思います」
AIアバターはどこまで自然に人と話せるのか。ロボットが人と同じ空間で働くとはどういうことなのか。まずは会場で実物を見て、自社ならどのように活用できるのかを考えてみてはいかがでしょうか。
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